みんなの椅子NEXT トークイベント vol.4
チューリップとノルの椅子
2022年夏に開催した「みんなの椅子 ムサビのデザインⅤⅡ」は、当館椅子コレクションに座りながら近代椅子デザイン史を辿る展覧会でした。開催中より多くの方から反響をいただいたことを受けその続編と呼ぶべき企画を、会場と展示スタイルを変えて開催いたします。「みんなの椅子 NEXT」と名付けたこのシリーズでは、後世の椅子に大きな影響を与えた一脚を取り上げ、展覧会監修であったお二人による講演会形式で、その秀逸さと影響関係を掘り下げていきます。
[開催概要]
- 講師:
- 寺田尚樹(建築家・デザイナー)
五十嵐久枝(デザイナー/武蔵野美術大学 造形学部空間演出デザイン学科教授) - 日時:
- 2024年12月18日(水)18:00-19:00
- 会場:
- MAARKETトーキョー
- 住所:
- 東京都港区北青山2-7-15
- アクセス:
- 東京メトロ銀座線外苑前駅2b出口
- 定員:
- 約30名
- 参加方法:
- 入場無料/要事前予約
- 主催:
- 武蔵野美術大学 美術館・図書館
- 共催:
- 株式会社インターオフィス
第二次対戦後、あふれる復員軍人たちに質の高いプロダクトを提供しようとしたアメリカのノル社。アメリカのバウハウスと言われた、クランブルック美術アカデミー出身で、ノル社のデザインディレクターでもあったフローレンス・ノルをクラスメイトのハリー・ベルトイア、エーロ・サーリネンたちが支えました。椅子の座面をどうやって三次曲面で表現することができるかということに取り組み、生まれた二つの解:ダイヤモンドチェアとチューリップチェアをクローズアップします。ハリー・ベルトイアによるダイヤモンドチェアは二次元の鋼線を網目状に組み合わせ、三次曲面を可能にし、エーロ・サーリネンは樹脂成形によりそれを実現しました。そして、同時代に生まれたノル社のコレクションを合わせて掘り下げます。戦後、もっともアメリカが豊かで、明るくて、楽天的だった時代感に触れてください。
[講師プロフィール]
- 寺田尚樹
1967年大阪生まれ。
1989年明治大学工学部建築学科を卒業。その後イギリスに渡り、1994年英国建築家協会建築学校(AAスクール)ディプロマコースを修了。
帰国後の2003年にはテラダデザイン一級建築士事務所を設立し、i+(アイプラス)の家具デザインやタカタレムノスからアイスクリームスプーン「15.0%」、時計CARVED(カーブド)を発表している。また、紙のプロダクトブランド「テラダモケイ」も立ち上げ、建築や家具、プロダクトデザイン、サインデザインなど幅広い分野で数多くのデザインを手掛けている。
建築家、デザイナー、クッドデザイン賞 審査委員、iF Design Award 審査委員、DFA Award 審査委員 - 五十嵐久枝
1986−91年クラマタデザイン事務所勤務。
1993年イガラシデザインスタジオ設立。商業施設から保育園等の空間デザインと家具・プロダクト・遊具等の立体デザインを主とし、「衣・食・住・働・育」の分野に関わる進行形デザインを展開している。
主な近作。武蔵野美術大学ゼロスペース、PEACH JOHNオフィス、E-Preschool、秋田木工MAGEKKO、PANECO CLOCK。
グッドデザイン賞審査委員。キッズデザイン賞審査委員。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科 教授。
[関連イベント]
11月29日(金)から2月4日(火)まで、MAARKETトーキョーでこのトークイベントに関連するアメリカデザインの展示をしております。
*「チューリップとノルの椅子」の展示はトークイベントの日のみとなります。
[過去のトークイベントアーカイブ]
vol.1 圏椅とスカンジナビアの椅子
展覧会「みんなの椅子 ムサビのデザインⅦ」